異文化看護交流を通して広がった看護観
高山 このは
医学部看護学科第4学年(渡航当時)
渡航情報
国名
マレーシア
大学名(機関名)
マレーシア国民大学
渡航期間
2024年4月22日~2024年5月3日
費用総額
約15万円
補助金
あり(滋賀医学国際協力会 海外渡航助成7万円)
謝辞
公益財団法人 滋賀医学国際協力会
今回の留学で資金面を援助していただきました滋賀医学国際協力会様に御礼申し上げます。
—— 海外へ行こうと思ったきっかけは?
私が今回留学を志願した理由は、短い大学生活を充実させたいと考えたためです。地域医療実践力育成コースを選択した私は4年生の春休み期間が長く、今しかできない経験をしたいと考えました。また、高校生の時に海外研修を志願していましたがCOVID-19の影響で中止されたこともあり、海外で生活をして新しい経験や視野を広げることへの憧れを強く抱いていたため、今回の研修への参加を決断しました。
—— 留学準備の中で特に気を付けたことは?
文化の異なる地で生活をするため、もし現地の食事が合わなくても対応できるようにインスタントの米やみそ汁を持参したことです。また、衛生面に配慮して生活をすることができるようウエットティッシュやポケットティッシュをたくさん持参したこと、現地で購入できたとしても自分に合わない可能性があるため、常備薬や生理用品を多めに準備したことなど、事前に海外の生活における危険性を考慮して準備を行いました。
—— 海外で具体的に何をしましたか?(研修内容)
マレーシア国民大学の看護学科や医学部附属病院、その他さまざまな医療施設を見学するにあたって、マレーシアと日本の医療や看護の違いについて考え、その違いの背景にあるものは何かを考察しました。例えば、マレーシアには我が国のような公的な医療保険制度が存在しない原因とその対策、マレーシアには本邦の看護師よりも広い裁量権をもつ看護師が存在する理由とそれが社会にもたらす影響などです。また、宗教国家における看護の実際を見学し、日本の医療現場ではどのような課題があるかを考察しました。日本にいるときは宗教が生活の中心にあることを実感することが難しかったため、具体的に日本での多文化共生を想像することができずにいましたが、今回の研修を通して検討することができました。
—— 海外で具体的に何をしましたか?(研修以外)
現地の学生と同じ寮で生活し、マレーシアの生活様式を経験することができました。マレーシアの辛さと甘さの極端な食事や、宗教が中心の生活様式、シャワーなどの仕度後に夕食をとるため、食べ始めるのが21時をすぎることなど、日本とは異なる生活を楽しむことができました。また、留学期間中はイスラム教の断食明けのお祭りであるハリラヤ・プアサの期間と重なっていたため、お祭りを一緒に楽しみました。その際、私はマレーシアの伝統衣装であるバジュ・クロンを着用させていただいたり、現地の伝統料理をふるまっていただいたりと異文化交流を行いました。
—— 海外へ渡航したことで、得たものはありますか?
私はこの記事ではお恥ずかしくて書けないようなミスを今回の渡航でしてしまいました。ですが、周囲に協力してもらって乗り越え、2週間楽しむことができ、「何かあってもだいたいのことは何とかなる」という強い心を私は得ました。また、これまでの海外渡航の経験は修学旅行のみだったので、当初は不安な思いもありましたが、国外の友人を作ったり多文化に触れたりして、たくさんの学びと楽しみを得ることができたため、失敗や不安を恐れるよりもチャレンジして経験することの勇気を持つことができました。そしてなんといってもマレーシアで素敵な友達を作ることができました。みんなとてもかわいくて、トゥドゥンと呼ばれるスカーフを着こなしていてとてもおしゃれで、インスタグラムに自分の写真をたくさん載せるような自信たっぷりな彼女たちはとても輝いていてかっこよかったです。また、授業や実習に加えて課外活動や自己学習に励む姿を見て私も刺激を受けました。
—— 今後、海外へ行きたいと思っている学生さんへメッセージをお願いします!
海外へ行きたいと考えているなら、旅行でも研修でもいいので積極的に参加して、現地の方と交流するべきだと思います。就職した後も休日を使って旅行に行けますが、なかなか長期間での旅行は難しいです。お金が高いからとあきらめるのではなくて、本当に行きたいなら計画して、行動しましょう。やって後悔することは自分の経験や学びになるので、自分のやりたいことは素直に行動に移してみるのがいいと思います。
私は、マレーシアに行って、現地の先生方や学生と友達になって遊んだり、学習したり、新たな経験をしたりして、自分や周囲のことをもっと思いやってみることができるようになり、成長できたと実感しています。参加して本当に良かったです!