中国の医療従事者たちと人脈を築けた

富沢 宏平

渡航情報

国名

中国

大学名(機関名)

哈爾濱医科大学

渡航期間

2019年8月26日~2019年9月11日

費用総額

約15万円

補助金

あり(滋賀医学国際協力会 医学系・看護系学生海外渡航助成金)

—— 海外へ行こうと思ったきっかけは?

 海外旅行がもともと好きだったこともあり、当初は、研修先として海外も選択肢にあるなら折角だし行ってみるのも悪くないかな…という具合に漠然と考えていました。その後、中国の学校が選択肢にあることを知り、この漠然とした意向は揺るぎないものへと変わりました。つまり、中国ありきで海外行きを決意した面が大きいです。(なぜ中国なのかは後述)

—— どうしてこの国を選びましたか?

 以前中国(北京&上海)での留学経験があり、中国の医療現場に興味があったので、留学するなら中国一択な部分がありました。また、今回のようなありがたい機会がない場合でも、年に最低1回は中国各地を旅するほどの中国オタクなので、何なら第二の故郷(国)に帰るような、ごく自然な成り行きでした(特殊すぎて参考にならず、申し訳ありません)。ある程度の中国語なら(毎回リハビリは必要ですが)操れるので、それを強みとして活かすことができれば尚良し、という期待もありました。

—— 留学準備の中で特に気を付けたことは?

 ビザ申請の段取りには一番気を遣いました。渡航日から逆算して比較的余裕のある計画を立てたつもりでしたが、結果的には割と渡航前ギリギリのビザ取得でした。
 現地での研修内容やスケジュールについては、ありがたいことに相浦先生とハルビン側の事務局に「おんぶに抱っこ」で、あまり積極的な関与はできませんでした。その代わり、実習以外の観光部分の計画立案には全力を注ぎました。

—— 海外で具体的に何をしましたか?(研修内容)

 事前にこちら(学生5名)からハルビン側に提出した希望を反映いただく形で、①糖尿病・内分泌内科+麻酔科、②小児科、③神経内科+産婦人科、④漢方内科の4コースをご用意いただきました。私は「①糖尿病・内分泌内科+麻酔科」のコースに参加しました。
 内分泌内科では、病棟業務(回診、検査、カルテ管理など)、外来の見学をしました。座学の講義(中国語!)にも顔を出しました。麻酔科では、手術麻酔、ペインクリニックなどを見学しました。手術室の数が30以上あり、手術の数・種類ともに非常に豊富で、希望さえ伝えればどの手術でも気軽に見学できる雰囲気でした。
 ハルビンを考えている方の中には漢方内科に興味を持たれている方が多いかと推察しますが、こちらでは主に脈診や調剤の考え方等について学ばれたようです。

—— 海外で具体的に何をしましたか?(研修以外)

 研修以外の時間は、折角なのでハルビン市街の観光をいたしました。中国とロシアの文化が融合した街並みは非常に趣があり素敵でした。週末は電車やタクシーを使って郊外にも足を運びました。中でも、市南部にある731部隊記念館は、大戦中の旧日本軍による人体実験の様子が生々しく展示されており、大変興味深かったです。これからハルビンに行かれる方には是非オススメしたい場所の一つです。
 2週間の研修を終えた後は、ハルビンから北京、そして上海へと場所を変え、各観光名所を訪れました。北京では万里の長城や故宮博物館など、上海では外灘や豫園などを巡り、中国らしさを満喫しました。

—— 海外へ渡航したことで、得たものはありますか?

 中国の医療従事者たちと人脈を築けたことが一番大きかったように思います。また、医療体制やシステム、実臨床における患者さんとのコミュニケーションの取り方の違いを肌で感じることができたのも大きな収穫でした。(国内の臨床実習を経験した今なら、より多くの気付きが得られるような気もします。機会があればまた是非行きたいです。)

—— 今後、海外へ行きたいと思っている学生さんへメッセージをお願いします!

 海外に行くならまずはアメリカやヨーロッパ、と考える方も多くいらっしゃると思いますが、中国も負けず劣らず異国情緒に溢れており、それでいて且つ日本と通ずる部分もあり、とても面白い国だと思います。受入れ人数も恐らくある程度融通は利くので、どこに行くか迷われている方(グループ)がいらっしゃいましたら、是非ハルビン医科大学という選択肢もご一考いただけると、中国オタクの私的には嬉しい限りです。