⽇本ではありえないことに遭遇したり
する絶好のチャンス
比嘉 貴子
渡航情報
国名
モンゴル
大学名(機関名)
モンゴル国立医科大学
渡航期間
2019年8月31日~2019年9月20日
費用総額
約25万円
補助金
あり(滋賀医学国際協力会)
—— 海外へ行こうと思ったきっかけは?
とりあえず海外に行ってみて、見識を広げたいと思ったからです。そこで、医学科3年夏休みの研究室配属で海外に行くチャンスがあったので行くことにしました。
—— どうしてこの国を選びましたか?
将来医師になった際、医療資源が乏しい状況に遭遇した場合にも対応できるように勉強したいと思ったため、先進国ではない国から選ぼうと思いました。その中から、普段自分では選ばない国(日本人がたくさん観光に行く国ではないということ)にしました。大学の提携校である国の中で、モンゴルとブラジルが私の中での候補にあがり、モンゴルでは伝統医学が学べると伺ったのでモンゴルにしました。
—— 留学準備の中で特に気を付けたことは?
まずは予防接種です。休日は郊外に行って動物に触れあいたいと思ったため、狂犬病をはじめ、A型肝炎・破傷風・ジフテリア・腸チフス・日本脳炎を打ちました。どの予防接種を打つかはトラベルクリニックで相談しました。
次に衛生用品です。海外は日本に比べて衛生状態がよくないので、ティッシュペーパー、ウェットティッシュ、生理用品などは特に忘れずに持っていきました。しかし、モンゴルは大学などの公共施設にもトイレットペーパーがないので、ペーパー類はもっと持っていけばよかったと思いました。
—— 海外で具体的に何をしましたか?(研修内容)
研修は2週間あり、1週目は主に小児病院を見学しました。循環器、腎臓、内分泌、消化器、血液、腫瘍の6部門があり、4日間で6部門を回りました。先生やレジデントについて、病院内を案内していただいたり、処置中の様子や病室内を見学したりしました。また、本部キャンパスで大学内を現地の学生に案内していただき、本物の臓器を展示している部屋などを見学しました。また、解剖学の講義を現地の学生と一緒に受けました。
2週目は伝統医学の勉強をしました。モンゴルの学生と一緒に講義を受け、お灸や鍼やカッピングをする実習をしました。また、実際の処置の様子を見学しました。
—— 海外で具体的に何をしましたか?(研修以外)
宿泊地から徒歩圏内に寺院、博物館、劇場、ショッピングセンターなどがあったので、平日で研修が早く終わった日はこれらの施設に行っていました。休日は現地でできた友人が郊外に連れて行ってくれ、ウランバートル市街地より離れている観光地に行ったり、郊外に行って自然を満喫したりしました。馬やラクダに乗ったり、ゲルに宿泊したりしました。
—— 海外へ渡航したことで、得たものはありますか?
まず、友人ができました。モンゴル人は日本人に対して非常に親切でした。今でもたまに連絡を取り合っています。また、彼女たちに会いにモンゴルに行きたいです。
次に、日本では当たり前のことが当たり前ではないことに気付きました。たとえば、大学やレストランのトイレにもトイレットペーパーがないのでティッシュを常備しておかなければならない、大学寮の設備はトイレも更衣室もシャワー室も男女共用である(小児病棟も更衣室は男女共用でした)、9月でも日本の冬並みに寒い、ウランバートル市内は空気が非常に汚い、などです。あらためて、日本がきれいで生活しやすい国と実感しました。
—— 今後、海外へ行きたいと思っている学生さんへメッセージをお願いします!
海外は日本にはないものに出会えたり、日本ではありえないことに遭遇したりする絶好のチャンスなので、ちょっとでも興味がある方は行くことを非常におすすめします。日本では当たり前のことが海外では当たり前ではなかったことに気付くことで、普段自分が当たり前と思っていても他人にとっては当たり前ではないかもしれない、と認識できるかもしれません。