多様な文化や価値観の中で
実際の医療現場を経験

桑原 歩夢

渡航情報

国名

カナダ

大学名(機関名)

  1. St Paul’s Hospital‐Centre for Heart Lung Innovation
  2. Vancouver General Hospital

渡航期間

2023年8月12日~2023年9月9日

費用総額

約50万円

補助金

あり(滋賀医学国際協力会)

—— 海外へ行こうと思ったきっかけは?

 私は研究に興味があり、1年生のときから研究室に所属しています。海外の病院や研究の様子を知り、実際に行われている研究の一部を体験することで、自分の研究活動や将来の選択肢の幅を広げることができると思い、海外研修に応募しました。実は、海外研修の機会があるということは入学前から知っており、滋賀医大を志望した理由の一つでもありました。ここ数年はコロナの影響で中止となっていましたが、幸いなことに今年度から復活したため、海外研修の案内が出たときはとても嬉しかったです。

—— どうしてこの国を選びましたか?

 カナダは治安が良く、標準的で聞き取りやすい英語が話されていることから、初めての海外でも安心して行くことができると思ったからです。留学中の滞在先がホームステイだったため、カナダの生活や文化に触れることができる点も魅力に感じました。

—— 留学準備の中で特に気を付けたことは?

 ホームステイ先のホストファミリーとメールで連絡を取り、家のルールや滞在中のスケジュールを事前に確認するようにしました。
 奨学金の申請、海外留学保険の加入は締め切りがすぐだったため、パスポートや推薦書、受け入れ承諾書などの必要書類を早めに用意しておく必要がありました。

—— 海外で具体的に何をしましたか?(研修内容)

 St Paul’s HospitalのCentre for Heart Lung Innovation (HLI)で3週間、Vancouver General Hospital (VGH)で1週間の研修を行いました。HLIでは呼吸器系の基礎研究を体験し、VGHでは呼吸器内科の臨床の現場を見学しました。合わせて5つのラボを回り、それぞれのラボでは、実験に必要な手技・知識の学習や、実験動物の検査の見学、呼吸器疾患の患者から摘出された臓器の観察など様々な体験をすることができました。HLI Research Dayという研究発表の場にも参加し、最新の呼吸器疾患に関する報告を聴きました。VGHでは、過分極キセノンを用いたMRI検査や、ABPA診断のための検査、呼吸機能検査など、実際に病院で行われている検査を医師と患者それぞれの目線で学ぶことができ、今後、臨床科目を学習していく上でとても有意義な経験になりました。

—— 海外で具体的に何をしましたか?(研修以外)

 HLIもVGHもバンクーバーの中心地近くにあったため、研修が早く終わった日は、カナダプレイスや、ギャスタウン、グランビルアイランドなど人気の観光スポットを訪れることができました。週末は、フェリーに乗ってビクトリア島に出かけたり、ドミトリーに宿泊し、山岳地帯のウィスラーでトレイル歩きを楽しんだりしました。

—— 海外へ渡航したことで、得たものはありますか?

 現地の研究者や医師を志す学生、日本人医師と交流する機会を得ました。カナダと日本の医療の違いや大学での勉強について情報交換をしたり、医師の研究留学の実際の様子について教えていただいたりし、とても良い刺激を受けました。
 さらに、英語での日常会話だけでなく、研修中に英語での発表や質疑応答を経験できました。専門的な用語を理解することが難しく感じましたが、わからない点については積極的に質問しようと努力しました。

—— 今後、海外へ行きたいと思っている学生さんへメッセージをお願いします!

 私にとっては初めての海外留学だったため、はじめは不安もありましたが、学びが多く、新しい発見もあり、充実した留学期間になりました。カナダでは、多国籍な環境の中で、多様な文化や価値観に触れることができます。皆さんにも、このように海外でしか得られない体験を是非してほしいと思います。